下請け製造業と農家。まったく違う業種の2人が、同じ壁にぶつかっていた。値段を自分で決められない、という壁である。
鈴木
図面を渡されて、言われた値段で受ける。それが当たり前だと10年思っていました。
値段を決められない、という共通点
杉浦
農業も同じです。市場に出したら、値段はその日の相場で決まる。天候のリスクは全部こちらが背負っているのに。
杉浦
出荷したキャベツが東京で4倍で売られているのを見た時です。差額が流通に消えるのは当たり前なんですが、構造を変えないと一生このままだと思いました。
数字を開くと、話が通じる
鈴木
うちは原価表を全部открытて見せました。人件費がいくら、材料がいくら、だからこの値段では続けられませんと。10社中7社が条件を見直してくれた。
杉浦
それは強いですね。うちも6年分の栽培記録があるから、価格の根拠を出せます。感覚で高いと言っても通らない。
鈴木
結局、記録している人だけが交渉できるということかもしれません。
記録がない人は、交渉ができない
杉浦
農業は勘の世界だと言われますが、勘は記録した人にしか身につかないんです。
この対談から持ち帰れること
- 価格交渉は感情ではなく、原価と実績データの提示で決まる
- 記録を取っていない事業者は、そもそも交渉の土俵に立てない
- 取引が減ることを恐れない。減るのは採算の合わない取引から